UNAWE Space Scoophttp://jp.unawe.org/kids/NewsjaMon, 12 Oct 2020 10:08:42 +0200スパゲッティにされて一巻の終わりhttp://jp.unawe.org/kids/unawe2040/ <p>宇宙でスパゲッティ??  でもないけど</p> <p>&nbsp;</p> <p><strong>かたまりが細長くのばされる「ヌードル効果」</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;<a href="http://www.spacescoop.org/ja/words/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB/" target="_blank" title="ブラックホール">ブラックホール</a>は宇宙で最も強力な天体のひとつです。運わるく星が銀河の中心にある超大質量ブラックホールに近づきすぎると、その星はブラックホールによって引きさかれてしまいます。そして引きさかれるときに星はとっても長くのばされて、細長いめん(麺)のような「ヌードル効果」が見られます。</p> <p>&nbsp;&nbsp;天文学者は、この現象を「スパゲッティ化」とか、「ヌードル(めん)効果」と名付けています。</p> <p>&nbsp;</p> <p><strong>スパゲッティ化のようすをとらえた</strong></p> <p>&nbsp; 最近、天文学者たちは、地球から約2億1500万光年はなれたところにある星(正式名称:AT2019qiz)が、ブラックホールに乱暴にひきのばされて吸いこまれているようすを、今までになくくわしく観測しました。</p> <p>&nbsp;&nbsp;その劇的(げきてき)な出来事を研究するために、天文学者たちは、ヨーロッパ南天天文台(ESO)はじめ世界中のさまざまな研究組織の望遠鏡を使って、星がブラックホールによって引きさかれた後に起こった出来事を観察しました。それは爆発的な光です。</p> <p>&nbsp; 今回のばく発的な光のかがやきは、今まで観測されたものの中で一番私たちから近いところで起こったものです</p> <p>&nbsp;</p> <p><strong>潮汐(ちょうせき)効果で、星が引きさかれる</strong></p> <p>&nbsp; ブラックホールに近づいた星は、その強力な引力によって前後に細長く引きさかれてしまいます。これは潮汐効果といって、月の引力によって海の水に満ち潮や引き潮が起こされるのと同じ理由です。星は強い引力で細長く引きのばされると、バラバラになってしまいます。このことを天文学者たちは潮汐破壊(ちょうせきはかい)現象とよんでいます。</p> <p>&nbsp; この時のばく発的な光のかがやきは、ブラックホールが星を食いつくして、星の残がいをはきだすときに、大量のエネルギーを放出するために起こります。今回の観測では、このばく発的な光が強くなって、やがて6ヶ月の間にだんだん弱くなり消えていくのが観測されました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>&nbsp;</p> <p>画像提供:ESO およびM.Kornmesser</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>&nbsp;&nbsp;天文学者たちは、ブラックホールによって破壊(はかい)された星の破片やチリが、ばく発的にふき出ているようすをとらえることができました。それらの物質は、最大で毎秒 1万kmの速度でブラックホールからはき出されています。これは、稲妻(いなずま)の進む約100倍のスピードです。</p></div> Mon, 12 Oct 2020 10:08:42 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2040/助けて〜!閉じこめられちゃった!http://jp.unawe.org/kids/unawe2039/ <p>天の川銀河よりもはるかに大きいクモの巣に閉じこめられちゃったと想像してみてください。さらにおそろしいのは、このクモの巣の中心に<a href="http://www.spacescoop.org/ja/words/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB/" target="_blank" title="ブラックホール">ブラックホール</a>があることです。これは、新たに発見された銀河群の中心がどうもあやしい、なぜここに銀河群が生まれたかを考える大きなヒントになります。</p> <p>大きなクモの巣にひそむモンスター<br />ヨーロッパ南天天文台のVLT望遠鏡を使って、天文学者たちは、宇宙が生まれて10億年にもならないころの、超大質量(ちょうだいしつりょう)ブラックホールのまわりの6つの銀河を発見しました。</p> <p>これらの銀河はすべて、天の川銀河の300倍以上の大きさまで宇宙の四方八方に広がる巨大なクモの巣のような形のガスの集まりの中にあります。</p> <p><a href="http://www.spacescoop.org/ja/words/%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%90%E3%83%B3/" target="_blank" title="ビッグバン">ビッグバン</a>からまもなくして、このように銀河が寄り集まって見られるのはこれが初めてです。この発見は、超大質量ブラックホールとして知られる、ほんとうに大きなブラックホールがどのようにできて急成長したかを考えるヒントにもなるかもしれません。</p> <p>おどろくべき急成長<br />最初のブラックホールは、宇宙の最初の星がつぶれて死んだときにできたと考えられています。その時にできたブラックホールがまわりの死んでいった星や回りのガスをのみこみ、非常にはやく成長したのではないかと考えられます。</p> <p>しかし、天文学者たちは、これらのとっても大きなブラックホールというモンスターを急成長させるために、宇宙のはじめのころに大量のブラックホールの「食べ物」となる材料がどれほど存在していたかを説明するのがたいへんでした。</p> <p>新しく発見されたクモの巣の構造とその中にある銀河は、おそらくその超大質量ブラックホールが成長するために十分なガスをふくんでいました。天文学者たちはまた、なぞめいた<a href="http://www.spacescoop.org/ja/words/%E6%9A%97%E9%BB%92%E7%89%A9%E8%B3%AA/" target="_blank" title="ダークマター">ダークマター</a>がブラックホールの成長を助ける大きなクモの巣の中にあるもう一つの食料源だろうと考えています。</p> <p>以下のサイトにアニメ動画があります。<a href="https://www.eso.org/public/videos/eso2016a/">https-::www.eso.org:public:videos:eso2016a:</a></p> <p>画像提供:ESO / L.カルサダさん</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>私たちがすむ天の川銀河にも、その中心に超大質量ブラックホールがあります。でも、心配しないでくださいね。私たちの近くではありませんよ。実際には、太陽系から2万6千光年はなれています。しかし、太陽の400万倍以上もの重さがあると信じられています。</p></div> Thu, 01 Oct 2020 09:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2039/ハッブルが木星の新しい写真をとるhttp://jp.unawe.org/kids/unawe2038/ <p>木星はガスでできています。そのガスがつくる木星の縞模様は、小型望遠鏡でも見ることができます。巨(きょ)大ガス惑星(わくせい)である木星は、もちろん大きな望遠鏡で見えますが、その中でもハッブル宇宙望遠鏡は木星の美しいすがたをあらたにとらえました。</p> <p><strong>天気のようすは強風</strong></p> <p>この最新の木星の写真はNASA/ESAのハッブル宇宙望遠鏡が2020年8月25日にとったものです。この写真のおかげで、木星のあれもようの天気について最新のようすがわかりました。たとえば、この写真からは強風が吹き始めているのがわかります。木星の上半分に白く広がったあらしがあり、ゆうれいが木星の表面を横切っているように見えます。このあらしは時速550キロ、竜巻の3倍もの速さで動いているんです!</p> <p><strong>木星の衛星・エウロパ</strong></p> <p>この低温の衛星のこおった地面の下には、液体の海があると考えられています。いつの日かこの海に、生命のしるしが見つかるかもしれないと考える科学者たちは、熱心にこの月を研究しています。</p> <p><strong>大赤斑</strong></p> <p>巨大なガスのかたまりである木星には、大赤斑(だいせきはん)という赤いはん点があることがよく知られています。この写真でもはっきり見えますが、これもあらしで非常に大きく、地球がすっぽり入る大きさなんです!</p> <p>大赤斑のあらしは150年以上前からずっとふきあれています。ハッブル宇宙望遠鏡は長い間このあらしを観測してきて、あらしが小さくなってきたことに気づきました。この写真から、あらしは今もちぢみつづけていると考えられますが、ちぢんでいる理由はわかりません。このなぞについては<a href="http://www.spacescoop.org/en/scoops/1905/the-mystery-of-the-shrinking-storm/" title="小さくなっている大嵐のなぞ">こちらの記事</a>でもっとくわしく読むことができます。</p> <p>ハッブル宇宙望遠鏡はこのふしぎな大赤斑や他のあらしのなぞをとくために、今後も木星の観測をつづけます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>写真提供:NASA(アメリカ航空宇宙局)、 ESA(ヨーロッパ南天天文台) A. Simon氏 (ゴダード宇宙飛行センター)、M.H. Wong氏 (カリフォルニア大学、バークレー)、 OPAL チーム</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>木星の直径は地球の直径の11倍です。この巨大惑星は、太陽系のほかの惑星をぜんぶ合わせた重さの2.5倍もの重さなんですよ!</p> <p>&nbsp;</p> <p>この記事はハッブル宇宙望遠鏡の報道発表によります。</p></div> Thu, 17 Sep 2020 19:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2038/こんなところに大惑星がhttp://jp.unawe.org/kids/unawe2037/ <p>&nbsp;&nbsp;惑星(わくせい)は、いつでも恒星(こうせい)の周りで発見されるわけではありません。実際に、天文学者たちはまったく考えてもいなかったところで惑星を見つけることがあります!</p> <p><strong>白色矮星の近くに</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;太陽のような一ぱん的な恒星は、そのすべての燃料を燃やしつくしたとき、内側につぶれ始めます。そのため、星の中心にある物質はギュッとかたくおしつぶされ、白色矮星(はくしょくわいせい)という小さなボールになります。だいたい太陽ぐらいの大きさのものが、地球ぐらいの大きさのものになるのです。</p> <p>&nbsp;&nbsp;この、燃料を使いつくし、年老いた恒星がつぶれる現象では、それまでは恒星の近くをまわっていた惑星たちは、いったんはふくれあがる中心の恒星に、たいがい飲みこまれてしまいます。ですから白色矮星の周りに、ましてやすぐその近くに、惑星、特に大きな惑星を発見することは、ふつうは ・・・・・・ ありません。</p> <p><strong>おどろきの発見!</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;しかし、まさに今回、天文学者たちが見つけたのです!</p> <p>&nbsp;&nbsp;なんと白色矮星の近くに、とっても大きな系外惑星が、完全な形でまわっているのが初めて発見されました。</p> <p>&nbsp;&nbsp;この系外惑星、正式には WD1856b といいますが、大きさは太陽系で最も大きな木星の約13倍です。今回の発見は、アメリカ科学財団・国立光赤外線天文学研究所(NOIRLab)のジェミニ北望遠鏡や、アメリカ航空宇宙局(NASA)のトランジット系外惑星探索衛星とスピッツァー宇宙望遠鏡、そしてそのほかの観測データを用いて発見されました。</p> <p>&nbsp;&nbsp;今回の発見から、たとえ木星のような大きな惑星であっても、その中心の恒星が最後をむかえたときに、生き残ることができるということがわかります。そして生き残ったあとは、白色矮星の周りをまわる新しい居場所(軌道/きどう)を見つけることができる、ということも示されます。</p> <p><strong>太陽系でもおなじになるか?</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;私たちの身近な太陽も、いつの日にかは白色矮星になると考えられています(そんなにすぐというわけではありませんけどね!)。</p> <p>&nbsp;&nbsp;太陽の一生が終わりに近づくと、太陽は白色矮星になる前に、まず赤色巨星として地球をふくめて惑星軌道をいくつも飲み込むくらいに大きくふくれ上がります。しかし今回の新しい発見では、おそらく太陽系の惑星の中でも大きなガス惑星のいくつかは、それでも生き残るかもしれないということを示しています!</p> <p>&nbsp;</p> <p>画像提供:NASAゴダード宇宙飛行センター</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>&nbsp;&nbsp;白色矮星は、中身がとてもギュッとつまっています。実際、もしも白矮星を小さじで1ぱいすくうと、それは象と同じくらいの重さです!</p></div> Wed, 16 Sep 2020 17:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2037/金星に生命体か?http://jp.unawe.org/kids/unawe2036/ <p>天文学者だけでなくだれもが、宇宙のどこかに生命があるのかどうかを知りたがっています。今日、ドキドキする発見が発表されました。それは、おとなりの惑星(わくせい)に生命のしるしがあるかもしれないことをほのめかしています。</p> <p>特別な分子(原子の集まり)</p> <p>今日、天文学者の国際チームは、金星の雲の中にめずらしいリン化水素(ホスフィンともいい、<span>リンと水素による無機化合物</span>)分子という物質を発見したと発表しました。</p> <p>リン化水素のワクワクする発見は、生命の存在を期待させます。</p> <p>地球上では、この分子はふつう、酸素がない環境での生活を好む目には見えない特別な生き物である微(び)生物によって作られるのです。地球上のほとんどの生物は生き残るためには酸素を必要とするので、この分子はあまりみられません。</p> <p>天文学者たちは、金星の高い高度の雲のなかでなら微生物が生き残れるのではないかと考えてきました。これらの雲の中では、微生物は金星の高温の表面から遠くはなれています。</p> <p>とはいっても、金星の高い高度の雲は30℃程度の快適な温度ですが、それらは非常に酸性であり、そこで生きようとする微生物にとってはたいへん居心地が悪いのです。</p> <p>将来の共同研究と探査</p> <p>この分子は、ハワイのジェームス・クラーク・マックスウェル望遠鏡によって最初に発見されました。このおどろくべき発見は、チリのアタカマ高地にあるALMA望遠鏡によって確認されました。これらはどちらも電波望遠鏡です。</p> <p>共同研究チームは、見つかった量のリン化水素は生命体の活動以外の原因では説明がつかないくらいの多い量だったことを示し、今回の発見は重要であるとしています。ただし、金星での生命の発見を確認するには、さらに多くの作業が必要であることもわかっています。今後さらに多くの研究が、そして願わくばドキドキするような発見があるといいですね。</p> <p>国立天文台による<a href="https://www.nao.ac.jp/news/science/2020/20200915-alma.html" target="_blank" title="金星にリン化水素分子を検出">日本語サイトあり</a>(https://www.nao.ac.jp/news/science/2020/20200915-alma.html)</p> <p>画像提供:ESO / M.コーンメッサー / L.カルサダ と NASA / JPL / Caltech</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>金星は夜空で最も明るい天体の1つです。ただし、日の出の直前は東の空に「明けの明星」として、または日の入り直後は西の空に「宵(よい)の明星」として見ることができます。</p></div> Mon, 14 Sep 2020 17:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2036/何かが足りないhttp://jp.unawe.org/kids/unawe2035/ <p>宇宙には、まだ答えの見つかっていない疑問がいっぱいあります。そのうちの1つが「宇宙はなにでできているのか?」です。天文学者たちは、宇宙がある物質でいっぱいであることをつきとめましたが、それがまだよくわからない物質なので、とりあえず「ダークマター=暗黒物質(あんこくぶっしつ)」と呼ぶことにしました。</p> <p><strong>ダークマターというふしぎなモノ</strong></p> <p><strong>&nbsp;</strong>ダークマターはふしぎなモノで、光を出さないのでまったく見えません。それでこんな名前がついたのです。でも目に見えるふつうの物質の5倍ものたくさんのダークマターが、宇宙にはあると考えられています。</p> <p>科学者たちにはダークマターが存在していることはわかっています。目にはみえないけれど、暗黒物質がまわりにあるものにあたえるえいきょうを観察することでわかります。透明人間の足あとをみて、そこにいるのがわかりますよね。</p> <p>ダークマターは銀河たちをつつみこむように存在していることがわかっています。銀河やガスがばらばらにならずにまとまっていられるのは、ダークマターのおかげにちがいないのです。</p> <p><strong>ひょっとして何かが足りないの?</strong></p> <p><strong>&nbsp;</strong>天文学者たちはさいきん、わくわくするような発見をしました。ダークマターのふるまうようすから考えると、あるはずの何かが足りないのです。これはハッブル宇宙望遠鏡とヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡からのデータを組み合わせることで発見されました。</p> <p>天文学者たちの国際チームが銀河団を調べてみました。銀河団というのは銀河があつまっているかたまりのことです。ダークマターのほとんどは、この銀河団の中で見つかります。これらの銀河団の中には、ダークマターがたくさん集まってこくなっていたり、うすくなっていたりするところがあります。</p> <p>このチームは銀河団の地図を作って、ダークマターがどこにちらばっているのかをしらべました。おどろいたことに、ダークマターの小さなかたまりが周りにあたえる影響(えいきょう)は、予想したよりも強いことがわかったのです。どうやら、宇宙に広がるダークマターの中には、これまで私たちが考えていた以上にこく集中している場所があるようです。それは、「知っ得ダネ」のコーナーで説明した、向こう側にある星々や銀河からやってきた光の進め方を曲げる「重力レンズ効果」を調べることでわかりました。</p> <p>今後もっと研究が盛んになって、いつかダークマターのなぞがとけることでしょう!</p> <p>&nbsp;</p> <p>写真提供:NASA(アメリカ航空宇宙局)、ESA(ヨーロッパ南天天文台) G. Caminha 氏(フローニンゲン大学)、 M. Meneghetti氏 (ボローニャ天体物理学・宇宙科学観測所)、 P. Natarajan 氏(イェール大学)、the CLASH team, M. Kornmesser氏 (欧州宇宙機関/ハッブル宇宙望遠鏡</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>この画像の中に、らくがきのような線とへんな形が見えますか?それらは、この銀河団の向こう側、もっと遠くにあるにある銀河なんです。これらがきみょうな形に見えるのは、ほかの銀河やダークマターの重力にひっぱられて光がまがっているからです。これは重力レンズというげんしょうで、<a href="http://www.spacescoop.org/en/scoops/1912/a-cosmic-lens-playing-tricks-on-the-eye/" target="_blank" title="目のいたずらをして遊んでいる重力レンズ">こちらの記事</a>で学ぶことができます。重力レンズは、この画像の中に見えるダークマターの場所をつきとめるのに使われているんですよ!。</p> <p>&nbsp;</p> <p>この記事はハッブル宇宙望遠鏡の報道発表によります。</p></div> Thu, 10 Sep 2020 20:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2035/ガスとチリのリングがいくつもかたむきあう世界http://jp.unawe.org/kids/unawe2034/ <p>&nbsp;&nbsp;太陽系全体にピッタリするような、とても大なお皿を想像してみましょう。すると太陽系の惑星(わくせい)は、ほぼすべてがお皿の上にくっついていることになります。なぜって、私たちの太陽系というものは、とても平らだからなのです。</p> <p>&nbsp;&nbsp;でも広い宇宙の中では、惑星の軌道(きどう)が、いつでも平らにそろっているとは限りません。なかには、かたむいた軌道もあるのです。</p> <p><strong>強い力が続いた結果</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;恒星とその周りの惑星を合わせた全体を「系」といいますが、1つの系で惑星の軌道がかたむくには、何らかの原因があるはずです。その原因となる強い力は、惑星ができるずっと前の、まだその系全体が、ガスとチリのただの巨大(きょだい)な円ばんだったころにも起きます。</p> <p>&nbsp;&nbsp;最近、国際的な天文学者チームは、グループになっている恒星がそれらの周りにあるガスとチリの円ばんを、バラバラに引きさく強い力がたっぷりあるという、直接的な証こを初めて発見しました。とても強い力によって、ゆがんでかたむいた円ばんができるのです。</p> <p>&nbsp;&nbsp;チームは、オリオン座にある、地球から1300光年はなれたオリオン座GW星という三連星系をくわしく調べました。この系には3つの太陽(恒星)があり、そのまわりをいくつかのバラバラの円ばんが大きくとりまいています。</p> <p><strong>こんな円ばんでも惑星が生まれる?</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;恒星が誕生すると、そのとき残ったガスやチリは、土星の輪のように恒星のまわりに円ばんをつくります。このガスとチリでできた円ばんのなかでは、ごく小さな岩ができることがよくあります。これらのつぶはやがてぶつかりあってくっつき、ますます大きくなります。このチリとガスの輪は原始惑星系円ばんといいますが、惑星は、こうしてこの中で生まれるのです。</p> <p>&nbsp;&nbsp;オリオン座GW星のゆがんでかたむいた輪の中には、まだ惑星は1つもできていません.... 今のところは!</p> <p>&nbsp;&nbsp;しかし今回の新しい研究によると、複数の恒星を取り巻くガスとチリが何本かのかたむいた輪になっていても、それらの中で惑星が生まれるかもしれません。</p> <p>&nbsp;</p> <p>画像提供:ヨーロッパ南天天文台、エクセター大学 クラウス 他、 L.カルサダ</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>&nbsp;&nbsp;天文学者たちは、宇宙にある惑星のおよそ半分は、少なくとも2つの恒星を中心にした連星系にあると考えています。</p></div> Thu, 03 Sep 2020 20:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2034/私たちの裏庭から新しい星がみつかるhttp://jp.unawe.org/kids/unawe2033/ <p>宇宙はたいへん大きいので、時にはおどろいたり、新しい発見が私たちの私たちの裏庭から見つかったりします。天文学者チームは、温度の低い小さな褐色矮星(かっしょくわいせい)として知られる約100この新しい天体を見つけ、まさに新しいおどろきや発見をしました。</p> <p>恒星になれなかった天体、褐色矮星<br />天文学者たちは、褐色矮星のことを「恒星になれなかった天体」といっています。その大きさは、太陽系で最大の惑星である木星のような巨大惑星と、小さな恒星の中間あたりにあります。しかし、太陽のような星とはちがって、内部のガスが核融合(かくゆうごう)という方法で星の材料が変化し、エネルギーを出しはじめるほど十分には高温になりません。その代わりに、星ができた後、褐色矮星はそのまま色あせて冷えていきます。</p> <p>表面の温度が低いため、これらの天体はあまり明るくありません。このため、天文学者がこれらの星を見つけるのは非常にむずかしくなります。そのため、どちらかというと太陽系の近くの褐色矮星を探すのです。</p> <p>宝さがし<br />太陽系にもっとも近くの冷たい褐色矮星を見つけるために、アメリカ科学財団の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)の天文学者とボランティアによる世界的なネットワークが「裏庭の世界」(英語名:the Backyard Worlds)プロジェクトという名前ではじまりました。この大規模なチームは、褐色矮星や惑星の小さな動きを探すために、望遠鏡でとったたくさんの写真を注意深く調べます。今日、プロジェクト・チームは太陽系の近くでおよそ100この新しい褐色矮星を発見したと発表しました。</p> <p>発見された新しい褐色矮星の多くは、すごく冷たいものでした。そのいくつかは、私たちの地球と同じような温度です。このくらいの温度であれば、地球でも見られるように、水でできた雲もあるかもしれません。</p> <p>今回の新しい発見で、最も近いものでは太陽からおよそ23光年のきょりにあります。そして、発見された褐色矮星の多くは、約30〜60光年のきょりにあります。</p> <p>これからも、私たちの近くに意外な発見があるかも知れません。いまから楽しみですね。</p> <p>画像提供:NOIRLab / NSF / AURA / P.マレンフェルドさん &nbsp;謝辞:W.ペンドリルさんへ</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>これまでのところ、市民が天文学の研究に参加する「裏庭の世界」プロジェクトの熱心なボランティアたちが、太陽系の近くで1,500こ以上の褐色矮星をすでに発見しています。</p></div> Tue, 18 Aug 2020 17:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2033/ベテルギウスのおかしな事件http://jp.unawe.org/kids/unawe2032/ <p>2019年の終わりごろ、オリオン座の恒星(こうせい)ベテルギウスが変に暗くなっているのを天文学者たちが発見しました。なぜ恒星の明るいかがやきが少しずつ暗くなっているのかは、はっきりとはわかりませんでした。(これについての以前の記事は<a href="http://www.spacescoop.org/en/scoops/2006/deviant-behaviour/" title="おかしな動き">こちら</a>)</p> <p>NASA/ESAのハッブル宇宙望遠鏡による新発見が、恒星(こうせい)のこの不思議なかげりに、チリの雲が関係しているという新しい答えを出してくれました。</p> <p>&nbsp;</p> <p><strong>赤い大きな恒星-赤色巨星(せきしょくきょせい)</strong></p> <p><strong>&nbsp;</strong>ベテルギウスもかつては今ほどとんでもなく大きくなくて、どちらかといえば太陽のような中くらいのサイズの恒星でした。けれども年をとって燃料となる水素がなくなってくると、大きくなり色は赤くなって赤色巨星へと変わっていきました。太陽系の中心にベテルギウスをおくと、あまりに大きくて木星まで届くほどです!</p> <p>&nbsp;</p> <p><strong>暗くなるできごと</strong></p> <p>多くの天文ファンは、これはベテルギウスがばく発しようとしている前ぶれではないかとワクワクしました。赤色巨星の中でも赤色超巨星にまで大きくなったベテルギウスは、いつか超新星(ちょうしんせい)としてばく発を起こしてさいごをむかえるでしょう。これらのばく発は、宇宙のできごとの中でも、もっとも大きなエネルギーを出すもののひとつで、銀河全体の明るさと同じくらい明るいのです!</p> <p>&nbsp;</p> <p><strong>ハッブル宇宙望遠鏡がナゾを解く</strong></p> <p>しかし、今のところ天文学者たちは超新星爆発は当分起こらないと考えています。ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって、ナゾがとけたからです。恒星の光が暗くなったのは、チリの雲が光をさえぎったせいでした。恒星からふき出した高温の物質が冷えてかたまり、雲になったのです。</p> <p>写真提供:ESA/ハッブル宇宙望遠鏡、M. Kornmesser氏</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>私たちの太陽もいつかはベテルギウスのように赤色で大きな星になります。といっても今から50憶年の間は起こりませんよ!</p> <p>&nbsp;</p> <p>この記事は、 ハッブル宇宙望遠鏡の報道発表によります。</p></div> Thu, 13 Aug 2020 17:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2032/月、それは巨大な鏡http://jp.unawe.org/kids/unawe2031/ <p>&nbsp;&nbsp;ハッブル宇宙望遠鏡といえば、宇宙のいたるところの美しい星や銀河のイメージで有名です。でも最近ハッブルがその目を向けたターゲットとは、わたしたちの家、地球にとても近いもの........&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;月です!</p> <p><strong>月食</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;ハッブル以外もふくめた宇宙望遠鏡としては初めて、ハッブルは皆既(かいき)月食が起きている最中に月を観察しました。皆既月食は、地球が太陽と月の間にさしかかり、地球の影(かげ)が月をすっかりおおうと起こります。</p> <p>&nbsp;&nbsp;このようなとき月は真っ暗ではなく、赤みがかった色で見えます。これは太陽の光が地球の大気にあたって、そこからわずかに月を照らしているからです。 ハッブルは2019年1月の月食の最中に、特別な研究のために月をねらいました。</p> <p><strong>きょ大な鏡</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;ハッブルは地球に一番近いおとなりの天体、月を、もっとくわしく知るためにねらいを定めたわけではありません。実は、系外わく星について私たちは何がわかるのかということを、もっと知るために月を観測したのです! 天文学者たちが太陽系外の惑星を探すとき、恒星(こうせい)からやってくる光が、わずかに暗くなる現象を探します。光が暗くなるということは、惑星がその恒星の前を通過したことを示しています。これをトランジット法といいます。</p> <p>&nbsp;&nbsp;この、恒星の前を惑星が通過するときの光をとらえて、惑星の大気をくわしく研究するための練習として、今回、ハッブルは月食をとらえました。そして月の表面で反射された地球から出た紫外線(しがいせん)の強さをハッブルは測ったのです。</p> <p>&nbsp;&nbsp;そういうわけで、月はこのとき巨大(きょだい)な鏡のようにふるまっていたのです。ハッブルは、このように月に反射された紫外線の中にあらわれている化学物質をくわしく調べ、地球の大気についてたくさんのことを学ぶことができました。</p> <p><strong>生命のしるし</strong></p> <p>&nbsp;&nbsp;月の反射光を使ったハッブルの研究で、地球大気中の化学物質であるオゾンを測定することができました。オゾンは、私たちが地球上で知っているような生命の存在を強く示すもので、天文学者が、他の惑星に生命があるかないか、その気配を発見するのにも役立ちます。</p> <p>&nbsp;&nbsp;今回の研究は、天文学者が、中心にある恒星の前を通過する系外惑星の大気をどのように研究できるか、それを確かめる試験的なもの、あるいは練習として役だったのです。このような研究を行うには、科学者たちは2021年に打ち上げられるジェームズウェッブ宇宙望遠鏡のような、もっと大きくて強力な望遠鏡が必要になります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>画像提供:欧州宇宙機関/ハッブル宇宙望遠鏡、マーティン・コーンメッサー氏</p> <div class="cool-fact"><h3>知っ得ダネ</h3><p>&nbsp;&nbsp;次に皆既月食が起こるのは2021年5月26日です。オーストラリア、南北アメリカ大陸の西側の一部、そして東南アジアに住んでいる人たちに一番よく見えます。いまから楽しみですね。</p></div> Thu, 06 Aug 2020 16:00:00 +0200http://jp.unawe.org/kids/unawe2031/