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水星がなにでできているか、わからなくなった

スペーススクープ・キャンプ2011、3日目の報告

2011年10月5日

  探査機メッセンジャーは、太陽に一番近い惑星(わくせい)水星まで、長くてたいへんな旅をしました。でも、メッセンジャーに取りくんでいる天文学者たちは、今日、この旅にかけた努力に価値があったことを示す、たくさんの新しい発見を発表できました。

  探査機メッセンジャーは、水星に直接向かうことができませんでした。というのは、この惑星へ旅するということは、太陽に向かって旅をするということになるからです。これはメッセンジャーにとってやっかいな問題でした。なぜなら太陽の重力によって探査機はずうっと引っ張られて加速していって、水星をまわる軌道(きどう)に入るには速度がつきすぎてしまうからです。そんなことになると水星の横をとおるだけでバイバイです! この問題をさけるため、メッセンジャーはとってもうまく計算されたルートをとって、上手に他の惑星の重力を使ってスピードを落とすことが必要でした。

  そのため、メッセンジャーの水星への旅は6年以上もかかったのです! そして最終的におよそ6ヶ月前、やっと水星の軌道に入りました。すでに今日、この任務に取り組んでいる天文学者たちは、これまでにわかったことを発表できるまでになっています。そしていくつかのビックリするようなことがありました!

  たとえば、今まで天文学者は水星の表面に金属の鉄がたくさんあると予想していました。この予想が正しいかどうかを確かめるために、メッセンジャーは特別なカメラを使って水星の表面の光の反射を調べました。このカメラは、岩石や金属が種類によって光の反射のしかたがちがうことを利用しています。しかしみんながおどろいたことに、水星の表面には鉄があまり無かったのです。この発見は、水星がどのようにできているのか、もう一度考えなおさなくてはならないということです。

  この発見は、最新の惑星研究を共有するため世界各地からフランスに集まった、約1,400人の天文学者たちによる天文学会議で発表されたもので、メッセンジャーの多くの発見のうちの一つです。この会議でのそのほかのニュースは、このリンク先(英文)でごらんください。

知っ得ダネ

  メッセンジャーは、水星の周りをまわった初めての探査機です。でも1975年、マリナー10号という探査機が水星の近くを訪れています。

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