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意外にほこりっぽい初期宇宙の遺物
2014年6月11日, Tokyo

アルマ望遠鏡の観測は、宇宙で最も巨大な爆発の謎に迫りました。

ガンマ線バーストは宇宙で最も巨大な爆発現象です。太陽が100億年の生涯で放出するエネルギーよりも多くのエネルギーを、ガンマ線バーストはわずか10秒で放出してしまいます。

ガンマ線バーストは私たちからの距離が数十億光年という遠い銀河の中でのみ見つかっています。このように遠い銀河を望遠鏡で観測することは、数十億年前の銀河の姿、つまり、まだ宇宙が若かったころの銀河の様子を見ていることになります。(宇宙年齢は138億年といわれています。)

天文学者はガンマ線バーストが重い星が死を迎えるときの爆発が原因と考えています。このような強烈な閃光の後には、通常、アフターグローと呼ばれるぼやっとした光が観測されます。しかし、ガンマ線バーストによってはアフターグローが観測されないケースもあり、このようなガンマ線バーストは「ダーク・バースト」と呼ばれています。

ダークバーストはなぜ起こるのか?その説明のひとつとして、宇宙空間にあるダストによってガンマ線バーストが覆われているためだという説があります。ダストは、弱い光を遮ってしまうからです。しかし、この考え方では、ガンマ線バーストは大量のガスに囲まれているはずだという説と合いません。ガンマ線バーストのもととなった星はガスの塊から生まれるので、ガンマ線バーストの周りにはガスが豊富にあるはずだからです。

この宇宙の難問を解くことができるほど、遠くの宇宙を十分によく見通すことができる望遠鏡はこれまで人類は手にしていませんでした。しかし今、アルマ望遠鏡が動き出したのです。

この巨大な望遠鏡を使って、天文学者は最近ガンマ線バーストが起こった二つの銀河を観測しました。そしてガンマ線バーストの周辺環境を初めて詳しく調べることができました。その結果、これら古代の銀河のなかでガンマ線バーストが起こった場所は予想以上にダストが豊富ということがわかったのです。


知っ得ダネ

知っ得ダネ

ガンマ線バーストはあまりにも遠くで起こるので、天文学者はその姿を詳しく知ることができません。その代わり、イラストレーターによるこのすてきな想像図をてがかりにしてみてください。

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