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ダークマターが自分で自分をけっ飛ばしている?
2015年4月13日

おたがいに作用しあっているダークマターを はじめて観察したのかも?
ひょっとして、ダークマターは完全に暗くないのかもしれません。

宇宙は、答えのない疑問だらけの世界です。たとえば、地球以外に生命があるのか?宇宙はどのようにして始まったのか?宇宙は何でできているのか?その答えは、宇宙の主な成分のひとつがダークマター(日本では暗黒物質ともいわれます)だということです。たぶん、たくさんある宇宙についての疑問の中で最大のミステリーのひとつです。

ダークマターはその名前のとおり、よくわからない不思議(ふしぎ)な物質です。どんな光も出さないということは、まったく見えないのです。それでも天文学者は、宇宙には、私たちが見ることができるふつうの物質に比べ、この見えない変わった物質が5倍もあると考えています。私たちは、ダークマターがそのまわりに与えている影響を見ることができるので、ダークマターそのものは見えないけれども、そこにあるのだということがわかります。たとえば、姿の見えない犬が雪の上に足跡を残すようなものです。そして、銀河のまわりにも、あちこちにダークマターがあるということを知っています。実際、うずまき形の天の川銀河と同じ形のほとんどあらゆる銀河が、ダークマターに囲まれているのです。

ダークマターがどこにどれだけあるかを教えてくれているすべてのヒントは、他の天体を引きつけているその重力にあります。少なくとも、これまでは・・・。

この写真は、宇宙での巨大な衝突のようすです。4つの大きな銀河が、互いに同時に衝突しているところです。天文学者がこの激しいできごとを見た時、銀河のうちのひとつを包み込んでいたダークマターが、銀河から抜け落ちていくところだと、気がついたのです。
このことは大したことには思えないかも知れません。でも天文学者たちは、そこに新しい力が働いているに違いないと気がついたのです。おそらく、これまで見られなかった力、そして、ダークマターがあるからこそできた力で、ダークマターこそが影響をうける力、いってみればそれはダークマターが自分で自分をけっとばしていている力なんです。

知っ得ダネ

宇宙を構成している物質の95%以上は、私たちには全く見えないのです。その中にはダークマターも含まれています。しかし、宇宙にある一番多いものは、不思議な力といわれるダークエネルギーです。それは、すべての物質をバラバラにする働きをします。もの同士を引きつける性質を持つ重力の正反対といってもいいものです!

この記事は、ESOからの報道発表によります。

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