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幼なかったころの太陽系のすがた
2015年6月5日

私たちの太陽系は約50億年前にできました。人類が地上に現れてから約20万年ですから、太陽系の年齢と比べると、まばたきのような短い時間しか存在しないことになります。では、太陽系が生まれた時には誰もいなかったのに、私たちの宇宙の「住み家」がどのようにできたのか、どうやってわかったのでしょうか。

ひとつの方法は、生まれたばかりの別の「太陽系」を調べることです。例えばそのような「太陽系」の写真をとると、私たちの太陽系が幼かったころにとてもよく似ているはずです。

中心にある恒星は、大きさが太陽とよく似ています。太陽系には、木星、土星、天王星、海王星という4つの大きなガス惑星がありますが、この恒星のまわりにも大きなガス惑星がある証拠が見つかっています。しかし、この「太陽系」と私たちのかつての太陽系がいちばん似ているのは、はしっこの部分です。

太陽系ができたときには、氷や砂つぶでできたすい星(ほうきぼし)が何兆こもあふれていましたが、太陽の近くのすい星はこわれてしまいました。惑星やその衛星にぶつかってバラバラになってしまったものや、木星の強い重力の影響を受けて宇宙の彼方まで飛ばされてしまったものもありました。

しかし太陽系のはしっこには、今でも氷でできたすい星が何百万こもあり、大きなリングをつくっています。この、海王星の外で太陽のまわりをまわる天体の集まりをカイパーベルトといいます。準惑星という分類に入っためい王星は、ほかのいくつかの準惑星といっしょにカイパーベルトの中にいます。

すばる望遠鏡の研究者が幼い「太陽系」の新しい写真を、ジェミニ南望遠鏡を使ってとりました。すると太陽系のカイパーベルトと同じ大きさの広がりを持つリングが、恒星のまわりにはっきりと写りました。そのリングはきっと、氷や砂つぶでできていることでしょう。この想像図には、若いころの太陽系に接近した時のようすが描かれています。

ジェミニ南望遠鏡は、私たちの太陽系がとても若かったころ、はしっこがどのような姿であったかを、これまでにないくらい鮮やかに写しだしたのです。

国立天文台により日本語サイトあり

知っ得ダネ

カイパーベルトとその先をめざす最初の探査機が2015年7月にめい王星を通過します。ニューホライズンズという名前の探査機です。

この記事は、日本の国立天文台からの報道発表によります。

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