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土星の衛星(えいせい)に生命がいるかも?
2018年7月9日

長い間探してきたけれども、この宇宙の中で生命が見つかった場所はたった一つだけです。そう、地球のことです。

だけどもしあなたが、宇宙人はきっといるはずだと信じているのなら、ガッカリすることはありません。太陽系には他にも、生命が生きられる場所がありそうだということが分かってきました。その一つが土星のまわりをまわっている小さくて冷たい衛星、エンケラドスです。

2005年以来、エンケラドスのこおった表面の下には、海があるのではないかと言われてきました。水は生命にとって、まずなくてはならないものです。そしてその次に生命にひつようなもの、それは生き物の体を作る材料となるものです。それは複雑な有機分子(ゆうきぶんし)とよばれています。

今は役目を終え土星の大気に消えたカッシーニ探査機からうけとったデータを調べた科学者たちは、エンケラドスには水だけでなく、この有機分子があることをつきとめました。水がある世界はほんのいくつかしかないというのに、このエンケラドスときたら海の水を宇宙空間にむかってまきちらしています。それを宇宙船カッシーニが調べることに成功したのです。

カッシーニは1年以上前に役目をおえましたが、氷のプルーム(ふん水のようにふき上げられた水蒸気や氷のつぶ)についてたくさんのデータをのこしてくれました。科学者たちはこのデータをくわしく調べあげて、有機成分を発見したのです。なんといってもおどろきなのは、冷たい表面の下で生命がこれらの物質を作ったかもしれない、ということです。もちろん、他の原因で作られたとも考えられますが。

エンケラドスの海の底には、温水がふき出しているところがたくさんあります。そのまわりに発生する高圧で温かい温度のせいで複雑な有機分子が生まれ、空気のあわによって表面に運ばれます。 というわけで、まだ地球外生命体は発見できないけれど、エンケラドスにはおおいに期待できそうです。この衛星から目がはなせません!

知っ得ダネ

エンケラドスからとびだした氷のつぶは、今も土星の輪の一つを作り続けています。

This Space Scoop is based on a Press Release from ESA.

この記事はESAの報道発表によります。

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