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ネバネバ菌も宇宙もクモの巣構造
2020年3月10日, Osaka

枯れ木や枯れ葉につく粘菌(ねんきん:アメーバーのような単細ぼう生物)のなかに、モジホコリという生き物がいます。モジホコリは食べ物を求めてクモの巣のようなネットワークを作り、食べ物を探して一番良い道すじをうまく見つけていきます。同じように、宇宙ができるとき、重力は数億光年のきょりをつなぐ見えないネットワークに沿って、銀河と銀河団を結びつける巨大なクモの巣のような構造を作りだします。

アメリカの天文学者たちが、2つのクモの巣構造の間にこの特別な共通点を発見しました。1つは生物学と進化によって作られたクモの巣構造で、もう1つは重力によって作られたクモの巣構造です。

この粘菌のふるまいがヒントになって、天文学者たちはコンピューターアルゴリズム(コンピューターを使った計算手順のこと)を設計しました。これはおもに、問題を解決するためにはどのステップを踏むかをコンピューターに正確に伝える方法です。このアルゴリズムは、大規模な宇宙構造の地図作りに役立ちました。

銀河グループを町とすると、銀河団は都市であり、超銀河団はこれらの町や都市をふくんだ国になります。しかし、話はこれで終わりではありません。宇宙のすべての超銀河団は、私たちが「コズミック・ウェブ(宇宙のクモの巣)」というものを作っています。 

このコズミック・ウェブは、アメリカのNASAとヨーロッパのESAがいっしょに運用するハッブル宇宙望遠鏡のデータを使って、ネバネバ菌のふるまいからいくつかの特別なヒントを得て、天文学者のチームが研究し見える形にしたものです。

コズミック・ウェブは、大規模な宇宙の大黒柱です。それは主に暗黒物質で構成され、そこにガスがまとわりつき、そのガスから銀河が作られています。暗黒物質は見えませんが、宇宙の物質の大部分をしめています。 

画像提供:NASA、ESA、およびJ.バーチェットとO.エレク(UCサンタクルーズ)

知っ得ダネ

天の川銀河がゴマの一粒だったら、観測可能な宇宙のコズミック・ウェブはギザの大ピラミッドの大きさになります。

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