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MサイズのモンスターのLサイズなヒミツ
2020年3月30日

お店で服を選ぶとき、S、M、Lの中から自分のサイズを探しますよね。宇宙のモンスターことブラックホールにも、いろんなサイズがあるって知ってました?

どんなものでもブラックホールにあんまり近づくと、強い力で引きずりこまれて脱出できなくなります。宇宙一スピードが速い光でさえも、このモンスターに近づくと逃げられません。だからブラックホールは黒いのです。けれどもブラックホールはホール(穴)でもなければ空っぽでもありません。その中はとても小さな空間でたくさんの物質がぎゅうぎゅうにつまっています。

天文学者たちは、銀河の中心にはたいてい超大質量のブラックホールがあることはよく知っていました。また小さいブラックホールが、大きな恒星(こうせい)が一生を終える時のばく発によって生まれることもわかっています。そしてブラックホールにはMサイズのものもあるんですがこれは見つけるのがとてもむずかしいんです。

ハッブル宇宙望遠鏡がこれまでで一番たしかな、Mサイズのブラックホールの証拠(しょうこ)を発見しました。天文学者たちの間では「中間質量ブラックホール」(IMBH)とよばれています。ブラックホールのSサイズからLサイズへの成長を研究している科学者たちにとって、成長の途中をしめすこれらのIMBHは大きな謎(なぞ)をとくカギでした。今までに発見されたIMBHはとても少ないのです。

IMBHがとくに見つけにくいのは、超大質量ブラックホールにくらべて小さくてあまり活動的ではないからです。しかもたいてい、まわりにえさとなる天体がありません。そのわけは、ブラックホールIMBHはまわりからたくさんの恒星やほかの天体を引っぱり続けて、のみこむことができるほどには引力が大きくないからです。

けれどももし運の悪い恒星が近づきすぎることがあると、のみこまれてバラバラにこわれてしまうだけでなく、その時に明るい光を発します。まさにそのおかげで天文学者たちが、ハッブル宇宙望遠鏡でこの新しいIMBHを発見できたのです。

 

画像提供 ESA/Hubble, ESO, M. Kornmesser氏

知っ得ダネ

ハッブル宇宙望遠鏡によって発見されたこの新しいブラックホールIMBH、サイズはMだけど質量は太陽の5万倍もあるんですよ!

 

この記事はESA(欧州宇宙機関)の報道発表によります。

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